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『暴虎の牙』ネタバレ!あらすじから結末までを相関図・時系列と共に解説

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『孤狼の血』完結編ともいえる『暴虎の牙』は、極道にとことん歯向かう呉寅会のリーダー沖虎彦の暴走を、大上とその愛弟子である日岡が止めることができるのか?!というお話です。今回は、『孤狼の血』3部作を包括する『暴虎の牙』のあらすじから結末を、相関図を交えながらネタバレしていきます。

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『暴虎の牙』時系列と相関図

『暴虎の牙』の舞台は、昭和57年と平成16年後の広島。

主人公は、《暴虎》こと 沖虎彦という男で、大上と日岡を繋ぐ重要な人物です。

時系列で言えば、

①『暴虎の牙』(昭和編)
↓6年後
②『孤狼の血』
↓2年後
・映画『孤狼の血LEVEL2』(オリジナルストーリー)
③『凶犬の眼

④『暴虎の牙』(平成編)

となり『暴虎の牙』は、『孤狼の血』シリーズの最初と最後のストーリーが前編・後編に分けられています。

極道をも恐れない獣のような男を刑務所に追い込む大上と、その20年後、出所した男に立ち向かう日岡が描かれ、大上の知られざる家族や、大上イズムを引き継いだ日岡が見られるということで、シリーズファンには見逃せない内容となっています。

『暴虎の牙』相関図


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『暴虎の牙』あらすじ(大上 昭和編)

昭和57年(孤狼の血から6年前)。

マル暴の刑事・大上章吾は、笹貫組と揉める3人の若者と出会う。

沖虎彦(リーダー)
三島孝泰
重田 元

リーダー格の沖は、「呉寅会」を結成した。

幹部には、沖と対等な立場の 三島考康、弟分でキレやすい性分の 重田元、窃盗のスペシャリスト林達也などが名を連ねた。

「呉寅会」は、ヤクザの賭博場にカチ込みをしたり、違法薬物を売りさばくなど、極道をも恐れない暴挙で勢力を拡大していた。

沖は、ヤクザを憎悪し、殺しもいとわなない一方で、カタギには一切 手を出さないというポリシーを持っていた。

それには、沖の辛い過去に理由があった…。

沖虎彦の生い立ち

沖の父親は、五十子会の組員・ 沖勝三

勝三は、家庭にロクに金を入れず、クスリや賭け事のために子どもの給食費も奪っていくような最低の男だった。

妻をはじめ沖や妹にまで暴力を振るう父親を、沖は心底憎んでいた。

成長した沖は、そんなどうしようもない父親を殺し、三島や重田たちと共に山に埋めた。

それからの沖は怖いもの知らず。

ケンカは負けなし、死をも恐れぬ根性と、ヤクザにも噛みつくような凶暴性を持ち、その名を知られるようになっていった。

大上の悲しい過去

大上には、かつて妻と息子がいた。(息子の名前は秀一。日岡と同じ名です。)

しかし、ヤクザとしてそれなりに筋を通す綿船組に肩入れする大上を、面白く思わない五十子組は、大上の妻子を交通事故にみせかけて殺害した。

大上の戦意喪失を狙っての犯行だった。

俺は一生をかけてでも、五十子の首を取ってやるー。

その日以来 大上は、妻と子の仇を討つため、以前にも増して、五十子への取り締まりを強化していった。

そんなとこに現われた沖。

大上は、沖の肝の座り方と人を惹きつけるカリスマ性を評価し、沖を利用して、五十子会に追い討ちをかけようと考えた。

それから大上は、沖を誘導するため「呉寅会」が出入りする店をたびたび訪れ、沖に接触。

最初は、馴れ馴れしい大上を忌々しく思っていた沖だったが、なぜか彼の生き様に共感する部分もあった。

いざ決戦

五十子会のシマを荒らしたことで呉原を出て、広島に流れてきた「呉寅会」だったが、その広島でも、綿船組が仕切る賭場を荒らし、笹貫組がバックにつく広島最大の暴走族「瀬戸内連合会」のみかじめ料を横取りするなど、縄張り(シマ)を荒らしまくった。

大上は沖に、「 ちいと大人しゅうしとれ。散々いたぶられて、なぶり殺しにされるんど。」と忠告したが、沖は聞く耳を持たなかった。

そのため、笹貫組による「虎狩」が始まり、呉虎会のメンバーは次々と半殺しの目にあった。

ついには死者を出し、呉寅会から一人、また一人とメンバーが姿を消していた。

焦った沖は、一発逆転とばかりに敵組織のトップである笹貫の組長を狙うことを計画。

しかし、襲撃決行の前夜、呉虎会のアジトに大上率いる警察が踏み込んできた。

「虎!年貢の納め時じゃ。往生せい。」

沖は、身体を羽交い絞めにされながらも、自分たちのなかに、スパイがいると察した。

裏切り者は誰だ。大上は、どの犬を飼ってたのかー。

沖は、奥歯をかみしめながら、怒りに震えた。

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『暴虎の牙』結末ネタバレ(日岡 平成編)

時は経ち、平成16年。

沖は、18年の刑期を終え出所し、大上に仕返しをしたかったが、その願いは叶わなかった。

大上は、すでに亡くなっていた。

沖は、大上の墓で「 呉寅会の裏切り者を必ずあぶり出してやる」と誓ったところに、大上の意志を引き継いだ日岡が現れた。

日岡は、墓の前にいる男が、大上の調書で見た沖虎彦だとすぐに気づいた。

「呉寅会の頭じゃった、沖じゃろ。俺は 呉原東の日岡じゃ。よう覚えとけ

裏切り者は?

沖は、信頼する弟分の重田元が、警察に密告したスパイだと結論づけた。

自分より10年前に出所したにもかかわらず、音信不通になっていたからだ。

元の住むアパートを探し出すと、そこにはヤク中になった元と、かつて沖の女だった真紀がおり、妊娠までしていた。

警察の犬になって自分を裏切ったうえ、女を横取りした元に、沖の怒りは頂点に達した。

沖は元に激しい拷問を加えたあとに殺害。

かつて、自身の父親を埋めた扇山の一本松の根本の穴に、元を放り込んだ。

自分を苦しめ、裏切った人間は、同じ墓に埋める。

それは父であろうと、幼なじみであろうと関係なかった。

祝杯

元が連れ去られたという情報から、日岡は令状を持って「呉寅会」のアジトに踏み込んだ。

しかし、そこはもぬけの殻で、元のものとおぼしき血痕が残されていただけだった。

そんななか、新しい資金源が必要な呉虎会は、ヤクザが経営する闇カジノで覚せい剤と現金を強奪した。

それは、人の首をかみちぎる“野生の虎”と呼ばれた、昔の沖を彷彿とさせるやり口だった。

「のう。みんな。この銭を元手によ、広島を手に入れるんじゃ!

祝杯をあげ上機嫌の沖と、林、高木などのメンバーを尻目に、三島だけは口を真一文字に結び、つがれた酒を見つめていた。

そして三島は沖に「沖ちゃん。ちいと外の風に当たらんか」と小屋の外に誘った。

結末

「のう、兄弟。もう、わしら終(しま)いにしようや」

「われ、なに言うとるなら」

三島は、これからの時代、極道だけでなく警察を敵に回してやっていくことは無理だと分かっていた。

自分の欲のためなら、幼なじみも手にかける。外道のような沖のやり方は終わっていると言い放ったのだ。

もちろん沖は、「わしは終わっとらん。これからがわしの時代じゃ」と息巻いた。

三島は、「少しは考えかったんか。元が裏切者じゃない可能性をーーよ。」と言い、自分が大上の犬であったことを告白した。

本当のスパイは三島だったのだ。

その直後、 夜明けの海に銃声が響いた。

撃たれたのは沖だった。

三島は沖を山に運び、あの一本松の根本の穴を掘り起こした。

沖をその穴に放り込むと、

「どうな? 自分が殺した 親父と親友――ふたりと同じ穴へ入る気分は

死体を眺めながらつぶやいた。

三島は、土をかぶせスコップを地面に突き立てると、タバコを時間をかけて吸った。

煙がしみたのか、その目は潤んでいた。ーEND-

『暴虎の牙』感想

本作では、大上の悲しい過去から、なぜ五十子会を目の仇にするのか、いつもかぶっていたパナマ帽の意味が明かされました。

しかし、主役はなんと言っても、“野生の虎”こと沖虎彦。

極道をも恐れぬ凶暴性を持っていますが、堅気の者には手を出さない信念を貫くあたりには人間臭さもあり、非常に魅力的な人物として描かれています。

大上も沖を利用はしますが、そのカリスマ性を認め、精一杯守ろうとするあたりは、やはりガミさんの美学が感じられてファンとしては楽しめました。

しかし、平成編になるとヤクザも取り締まる警察組織も、思い通りに動けなくなっていきます。

沖は昔の栄光を引きずって、刑務所を出たら浦島太郎。時代についていけていけません。

日岡もいくら大上の意志を受け継いだとはいっても、昔のように手荒いやり方をすれば、自分の首が飛んでしまいます。

20年を経て、ドラマティックに出会う沖と日岡のバチバチの攻防が見たかったのですが、前2作に比べると、パンチがなく少し物足りなさを感じてしまいました。

面白いけれども、突き抜けるような激しさや、熱は控え目だったように感じました。

ヤクザが物語でかっこいいのは、やっぱり哀愁漂う昭和。

平成や令和では、極道は社会の絶対悪としてしか捉えられず、派手に描くことが難しいのかもしれません。

『孤狼の血 』シリーズ第2弾『凶犬の眼』あらすじから結末は⇒こちら

『暴虎の牙』映画化は?

現在、映画『孤狼の血』の3作目が予定されているようですが、『凶犬の眼』、『暴虎の牙』どちらの原作になるか明かされていません。

映画『孤狼の血Level2』のラストが、原作の二作目「狂犬の眼」に繋がるような終わり方だったので、『暴虎の牙』の映像化はまだ先になるかも。

一方で、レベル0で完結編ともいえる『暴虎の牙』の内容も盛り込まれるかもしれませんので、今後の情報を待ちたいと思います。

なお、 映画『孤狼の血』相関図&キャストと結末については以下の記事にまとめていますので、ご覧ください。


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