『テセウスの船』犯人ネタバレ!最終回までのあらすじと結末を相関図付きで解説

ドラマ『テセウスの船』は、過去にタイムスリップした主人公が、謎の連続毒殺事件の犯人になった父親の無実を証明するため奔走するヒューマンミステリーです。今回は、2020年TBS日曜劇場で放送された『テセウスの船』の結末までのあらすじを相関図付きで振り返ります。
『テセウスの船』相関図
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『テセウスの船』1話から最終回までのあらすじ
1話◆「父は本当に殺人犯なのか?」
生まれる前に父・佐野文吾(鈴木亮平)が殺人犯として逮捕された主人公・田村心(竹内涼真)は、母・佐野和子(榮倉奈々)と姉兄と共に、加害者家族として世間からの厳しい視線を浴び、暗闇の中を生きてきた。 人目を気にして笑うことも許されなかった人生。しかし、心の過去を受け入れ、いつも励まし支えてくれる最愛の妻・田村由紀(上野樹里)から、自分の父親を信じてみてと言われ、心は父に向き合う決意をする。 そんな時、父が逮捕された事件の現場となった村を訪れた心は、突然、事件直前の平成元年にタイムスリップしてしまう。 そして、心はそこで生まれて初めて父・文吾と31年前の母・和子に出会うのだった。 過去で出会った家族は優しさと笑顔が溢れる愛すべき者たちだった。 父・文吾はなぜ殺人犯になったのか? 本当に事件の犯人なのか? 心は過去の世界で、父・文吾の起こす事件の謎を解明し、事件を阻止して過去を変えようと立ち向かう。出展元:(C)TBS
雪に埋もれた自分の姉の佐野鈴を助けた心。
本来なら凍傷で頬にアザがあった鈴だったが、発見が早かったため軽い霜焼けで済んだ。
由紀が遺したノートから、今度は除草剤パラコートを誤飲して医者の次女である5歳の三島千夏が亡くなることを防ごうとした心は、病院の倉庫からパラコートを持ち出すことに成功した。
しかし、千夏は過去の歴史の通りパラコート中毒で亡くなってしまう。
千夏が亡くなる直前に文吾と一緒にいたところを目撃した心は、父が犯人ではないかと疑う。
一方、文吾もまた「村の者ではない男が病院から何かを盗んでいた」という目撃証言を得て心を怪しむ。
そんななか心は、文吾の机の引き出しからパラコートを発見する。
新に不信感を抱く文吾は警察に、千夏の事件について心を調べて欲しいと通報し、心は取り調べをうけるっことに。
それから間もなく、千夏の姉・明音が事実よりも6日早く失踪してしまい心は必死に行方を探すが、明音が遭難している場所で文吾が佇んでいるのを発見する。
文吾が通報を受けて茜を助けにきていただけと知った心は、明音を助け出すことに協力。
文吾から「子どもを守ることが大人の使命だ」という言葉を聞いた心は、父の無実を信じようと決心する。
2話◆「真犯人、あらわる」
平成元年にタイムスリップした田村心(竹内涼真)は、木村さつき(麻生祐未)の計らいで事件が起きる音臼小学校の臨時教員として働くことに。そして、心は父・文吾(鈴木亮平)と村で起こる事件を阻止していくことで父が逮捕される過去を変えようと決意する。由紀(上野樹里)の事件ノートによると3日後に田中義男(仲本工事)の家が火事になる。田中家の警戒に向かうと、そこで気味の悪い少女二人の絵が描かれたノートを発見する。これも音臼小事件に関連しているのでは…という心の不安は的中し、鈴(白鳥玉季)が行方不明になったと村は大騒ぎになる。想定外の事件に心は動揺し、父・文吾との仲に亀裂が入る…。出展元:(C)TBS
心を快く思わない長谷川翼が、倉庫からパラコートを盗んだことを言いふらし、ウサギが毒殺されたこともあって心は再び警察から疑われる。
気味の悪い少女二人の絵の横に風速計が描かれていることを知った心は、風速計の置かれた小屋で明音を発見する。
そんななか翼が音臼神社で青酸カリを飲んだことにより、遺体で発見される。
3話◆「決死の告白! 殺人犯になる父へ―」
田村心(竹内涼真)は、音臼村で起こった一連の事件の容疑をかけられ、刑事の金丸(ユースケ・サンタマリア)に逮捕されてしまう。 逮捕される瞬間に未来の出来事が書かれたノートは辛うじて投げ捨てた心。父・文吾(鈴木亮平)が後に殺人を犯すことは決して誰にも知られてはいけない。 しかし、やがて釈放された心の元に、ノートと共に捨てたはずの免許証が届く。誰の仕業か!? まさか、ノートも拾われたのか!? 不安が募る心に追い打ちをかけるように、真犯人がまた奇妙な絵で新たな犯行を予告する! 果たして、次なるターゲットは!? 追い詰められた心を心配する和子(榮倉奈々)。心は、家族を救うため、残酷な未来を打ち明けるべきか激しく葛藤するのだった。出展元:(C)TBS
心は文吾が音臼小無差別殺人事件の犯人に仕立て上げられる未来と、家族も不遇の人生をおくることを明かした。
さらに心は、自分が和子のお腹のなかにいる子どもだとついに告白する。
そして事件が起こる前に家族と共に村を出れば助かると訴えるが、文吾は信じることができず心を家から追い出した。
そんななか心は、刑事の金丸茂雄に未来から来た文吾の息子だと話し、金丸は真犯人探しに協力を求めた。
金丸は心の告白を信じ、真犯人を突き止める重要な証拠を捜しに行くが、崖から突き落とされ命を落としてしまう。
その直後、心はまた霧に包まれ現代に戻ってしまい…。
4話◆「変わり果てた最悪の未来」
再び現代にタイムスリップした田村心(竹内涼真)を待ち受けていたのは、変わり果てた歴史だった。父・文吾(鈴木亮平)は変わらず冤罪で囚われており、母・和子(榮倉奈々)と兄・慎吾(番家天嵩)は心中して亡くなっていた。生き残った姉は行方知れず。自分が過去を変えたことで最悪の歴史に変わってしまったことに心は深く後悔する。最愛の妻だった由紀(上野樹里)が亡くなった歴史も変わっているのではと、心は一縷の望みを胸に由紀の実家を訪れ、由紀と遭遇する。拘置所の文吾と涙の再会を果たし、必ず冤罪を晴らすと約束した心は、生き別れになっていた姉を訪ねるが、姉は村田藍(貫地谷しほり)と名前も姿も変えて隠れるように生きていた。心は藍に文吾の冤罪を晴らすことに協力して欲しいと言うが、藍は内縁の夫(安藤政信)との生活を邪魔しないで欲しいと拒む。心は姉の夫の正体を知り、愕然とするのだった。音臼小事件は未だに終わっていないと感じる心。心は父を救い出すため、あまりにも無謀な作戦を思いつく。しかし、大きな困難が待ち受けるのだった。出展元:(C)TBS
藍は内縁の夫は、音臼小無差別殺人事件の被害者・加藤みきお(安藤政信)だった。
みきおは、後遺症で下半身不随になり身よりがなかったことから音臼小学校の元教員・木村さつき(麻生祐未)の養子になっていた。
心は文吾の冤罪を証明するため、未来が変わった現代で週刊実像の記者をしている由紀に会いにいき、「音臼小事件被害者の集い」があることを教えてもらう。
一方 藍が文吾の娘・鈴と知ったさつきは、「音臼小事件被害者の集い」に突然参加を決める。
何も言えないでいる心を見て、由紀は事件の疑問点や矛盾点を皆の前で問い、文吾の無実を信じて戦っている人がいることを明かす。
5話◆「無罪の証言者あらわる!」
タイムスリップした平成元年から再び現代へ戻った田村心(竹内涼真)は、歴史が変わってしまうまでは妻だった記者の岸田由紀(上野樹里)の協力を得て、父・文吾(鈴木亮平)の無実を証明できるという証言者の松尾から連絡を受ける。それは心にとって、父の冤罪を晴らす唯一の希望の光だった。その頃、木村さつき(麻生祐未)に「正体を知っている」と脅されていた村田藍(貫地谷しほり)。文吾の娘だと夫の木村みきお(安藤政信)に隠し続けてきた藍は、さつきのある謀略に協力させられる。果たして、さつきの魂胆とは何なのか?そして、心は突然、松尾から証言はできないと連絡を受ける。父を救う唯一の希望を失いたくないと、心は由紀に励まされながら必死で松尾に証言を願うが…。出展元:(C)TBS
音臼小無差別殺人事件の証言者をすることになった紀子は文吾の面会に向かうが、娘に反対され証言できないと詫びた。
しかし紀子は、どうしても悔いが残ってしまうと心に当時見たことを話す決意をする。
一方さつきは、藍(鈴)に紀子に証言を止めるように説得するように命じ、証言されると藍が文吾の娘だとバラすと脅した。
松尾紀子は、心に真相を話すことにしたが、直前にさつきから命を落とさない程度の毒を飲ませられた鈴が倒れ、心は救急車の乗って病院まで付き添うことになった。
その間に、さつきは紀子に青酸カリ入りの芋羊羹を食べさせ毒殺した。
6話◆「真犯人からの招待状」
田村心(竹内涼真)にとって唯一の希望だった、父・文吾(鈴木亮平)の無罪の証言者・松尾紀子(芦名星)が、木村さつき(麻生祐未)によって殺害された。姉の村田藍(貫地谷しほり)の話から音臼小事件の真犯人はさつきではないかと疑うが、さつきの元に毒入りのジュースが届く……。そして、事件を嗅ぎ回るなという警告が! それでも心は由紀(上野樹里)と協力して、事件の真相へと迫っていく。木村みきお(安藤政信)に渡されたさつきの手帳と、文吾の記憶をヒントに事件の真犯人へと辿り着く手掛かりを得る。しかし、それは心を陥れる真犯人の罠だった。そして、ついに真犯人から心に招待状が届く! 心は命と引き換えに真犯人に会いにいくことを決意する。出展元:(C)TBS
藍に罪をかぶせようとして、自作自演で芋羊羹を食べて入院したさつきだったが、届いた毒入りジュースを飲んで命を落とした。
一方、元宮城県議会議員田中義男の息子・田中正志が事件に関わっていると感じた心は、正志のアパートを訪ねると彼は亡くなっていた。
警察に拘束された心だったが由紀のおかげで、釈放される。
そんななか心の元に「3月8日END」と血の涙を流す女性が描かれた絵と招待状が送られてくる。
心は真犯人に会いに行くが、そこには加藤みきおがいた。
みきおは車椅子から立ち、心の腹にナイフを突きたて「歴史に残る完全犯罪を成し遂げたのに、真犯人だと名乗り出るわけない」と話した。
音臼小無差別殺人事件の犯人はみきおだったのだ。
すると心は霧に包まれ、再び事件2日前の平成にタイムスリップした。
7話◆「運命の事件当日」
田村心(竹内涼真)は、現代で一連の犯人が木村みきお(安藤政信)だと知った途端、再び平成元年にタイムスリップしてしまった。音臼小事件まであと二日。心は文吾(鈴木亮平)と共にみきお少年(柴崎楓雅)を追うが、村から忽然と姿を消していた……。 みきおの消息がつかめず焦る心は、歴史が変わった現代で和子(榮倉奈々)と兄・慎吾(番家天嵩)が心中していると文吾に明かしてしまう。最悪の未来を知った文吾は取り乱し、絶対に事件を止めなければと空回りし、家族と村人との間に溝が出来てしまう。事件を前に早くもバラバラになりかけた家族を、心は必死でつなぎ止めようとするのだった。 そして、みきおは計画を邪魔する心を消そうと、和子の命を狙おうと画策する! 家族のピンチを心と文吾はどう乗り切るのか……!?出展元:(C)TBS
自白を録音したレコーダーを奪ったみきおは、心が自分を探しにくると予測して身を隠していた。
みきおの狙いが和子のお腹にいる心だと分かると、佐野家はお楽しみ会の不参加を決め、代わりに家族だけでお楽しみ会を開催した。
事件当日ー
和子は鈴と慎吾を連れて村を出て、心と文吾はお楽しみ会は開かれる学校へ向かい みきおを探した。
8話◆「事件を止めろ! 黒幕出現!?」
大量毒殺事件当日、田村心(竹内涼真)は父・文吾(鈴木亮平)と共にお楽しみ会に現れた犯人・加藤みきお(柴崎楓雅)の行動を監視する。食事に毒が入れられることを阻止しなければ、多くの死者が出て文吾は殺人犯になってしまう。 心と文吾はみきおに翻弄され続け、ついに事件が起きた昼食の時間を迎えてしまう。食事の中に毒が混入しているかもしれない最悪の状況の中、心は事件を阻止するため驚くべき行動に出る! また、村では同時に新たな事件が進行していた! 和子(榮倉奈々)と子供達の身に危険が迫る! そして、みきおの他に“もう一人の真犯人”がいることが分かる! ついに犯人の本当の狙いが明らかになっていく…!出展元:(C)TBS
心は事件を阻止するため一番先に「はっと汁」を飲むが、毒は入っていなかった。
そんななか、和子たちが乗った車が山中で発見され、何者かに拉致されていた。
車中からは文吾と家族の絵が描かれた絵が残されており、みきおの共犯者がいることが判明した。
そして犯人たちの狙いが文吾だということが分かり、心たちは和子たちを必死に探し、無事に発見される。
現場の状況から、お楽しみ会に参加していた人物に絞って共犯者を探る心と文吾。
そんななかみきおから「疲れたから僕を迎えに来て」と文吾に電話がかかってくる。
9話◆「真犯人の最終計画始動! 姿を消した父」
田村心(竹内涼真)が犯人に呼び出されて向かった文吾(鈴木亮平)の後を追うと、そこには意識不明で重体の加藤みきお(柴崎楓雅)がパトカーに残されていた。連絡が取れずに行方不明の文吾に、県警の監察官・馬淵(小籔千豊)は殺人未遂容疑で家宅捜索するために佐野家を訪れる。文吾の消息が掴めないまま佐野家には記者たちが集まり、警察官が殺人事件に関与したと騒ぎ立てる。音臼小事件を阻止しても父は殺人犯の罪が着せられた状況に陥ってしまう。心は、文吾に殺人犯の罪を着せて死刑に追い込むという真犯人の執念深さを感じるのだった。そして、文吾への恨みの原点と思われる謎のメッセージが届く。追い詰められた和子(榮倉奈々)が集まった記者たちに語った言葉とは!?そして、ラストには衝撃的な犯人の策略が待ち受けていた・・・!!出展元:(C)TBS
文吾の机の上に、失くしたはずの由紀のノートが置かれており、なかに1977年に開催された音臼村祭のチラシが挟まれていた。
心が調べてみると、1977年の音臼村祭事件で田中正志の母親が誤ってキノコ汁に毒キノコを入れてしまい徳本卓也の母が亡くなったという事件が起こっていた。
心は徳本を疑うが、文吾はその可能性は低いと感じた。
そんななか山中で、オイルが切れた金丸茂雄のライターと、亡くなった明音の隠し撮り写真、駐在日誌と記されたフロッピーディスクが発見された。
そして警察が調べると、駐在所のワープロから犯行日記が、庭から青酸カリが出てきた。
『テセウスの船』最終回の結末をネタバレ
最終回(10話)◆「過去を変えろ! 黒幕との最後の対決」
駐在所のワープロから犯行日記が、庭から青酸カリが発見されて逮捕されてしまった文吾(鈴木亮平)。大きく揺れる心と家族。バラバラになってしまった家族は最大のピンチをどう乗り越えるのか……?そして、事件の真相を追う心の元に黒幕から最後のメッセージが届く。それは、心に究極の選択を迫るものだった。過去を変えて家族の未来を救うため、心はある決意をする。やがて迎える黒幕との対峙。そこで事件のすべての真相が明らかにされる。心と家族の未来はどう変わるのか……?出展元:(C)TBS
文吾は逮捕され、心と和子が面会にいくが、なぜか文吾はみきおの共犯者は自分だったと自白してしまう。
それでも文吾を信じた心は、タイムカプセルのなかに収めた文吾の手紙を思い出し、それにヒントが書いてあるのではと考えた。
文吾の手紙には家族への愛が綴られ、改めて文吾が犯人ではないと確信する。
そんななか、みきおが病室から失踪し、小学校にいるところを見つけた心。
みきおは、いじめから救ってくれた鈴のヒーローになりたかっただけだった。
だから鈴のヒーローだった文吾を憎み、鈴をいじめた明音を翼に殺させようとしたのだった。
そして今、鈴に感謝されるのは文吾を無罪にすることだと思ったみきおは、心を犯人にするため自ら青酸カリを飲んで自殺を図った。
しかし、心はこれまでの犯行を自白したみきおの音声を録音していたため、文吾は釈放され、事件は終わったかにみえたが…。
文吾が自供した理由は、犯人からの差し入れの本のなかに「罪を認めないと家族を殺す」というメッセージがあったからだった。
再びみきおと繋がっていた共犯者を考えていた文吾は、ふと音臼村祭で正志の母が毒キノコを誤って入れてしまったことを思い出した。
1977年音臼村祭のきのこ汁の件で、文吾は間違って誰かがいれたと事故として処理しようとしたが、議員に立候補していた田中義男が村に不安は残せないから事件として捜査してほしいと要望した。
捜査の結果、皮肉なことに正志の母が毒キノコを誤って入れてしまったことが判明し、義男は今度は県警にかけあってもみ消そうとしたが上手くいかなかった。
その後、義男によって村祭りは中止された。
そんななか、心は文吾宛の手紙が玄関の扉に挟まっているのを見つけ、そこには「皆殺しが嫌なら一人で音臼神社に来い」と書かれてあった。
手紙を読んだ心は、文吾に書き置きを残して音臼神社に向かった。
一方、風速計のある小屋で男が倒れていると通報を受けた文吾はすぐに心を探しにいくが、待ち伏せしていた田中正志に背中を刺されてしまう。
みきおの共犯者は、田中正志だった。
音臼村祭の後、父・田中義男は正志の母と子どもを捨て、母は罪に問われたことで逮捕されたことで体を壊して亡くなった。
正志は母のためにも小学生の妹と二人でなんとか生き延びようとしたが、「殺人犯の子ども」というレッテルを貼られ、妹はいじめを苦に自殺した。
数年後ー義男が病気をしたことで音臼村に戻ってきた正志は、「家族は大事にしないとな」と文吾に言葉をかけたことで、復讐心が湧き上がった。
正志は、文吾の家族も自分の家族のようにバラバラにしてやろうと考え、みきおを使って次々と犯行を重ねていたのだった。
心を刺したという正志の発言を聞いて、逆上した文吾はナイフを正志に向けるが、「心を裏切ることができない」と手を下ろした。
すると無事だった心が文吾の元に駆け、正志と揉み合いとなり、ナイフが心に刺さってしまい亡くなってしまう。
それから30年後の2020年。
東京で教師をしている心は、結婚した由紀と共に宮城県に来ていた。
店に到着すると、文吾、和子、鈴、慎吾と誰1人欠けることなく笑顔で存在していた。
一方、さつきはみきおと共に、カフェを営んでいた。
心は由紀のお腹に命が宿っていることを報告し、文吾は産まれてくる子どもの名前に「未来(みく)」はどうかと提案した。
心は自分が考えていた名前と同じだと喜び、文吾は今ある幸せとこれからの幸せを噛みしめた。ーおわりー
『テセウスの船』感想
『テセウスの船』は、過去を修正して未来を変えるタイムリープ、連続毒殺事件の真相を探るミステリー、父と息子の絆、沢山のテーマを盛り込んでいますが、最後まで飽きることなくじっくり楽しめた作品でした。
主人公の息子は、父親を犯人にしないように奔走しますが、真犯人の策略により何度も追い詰められ、「もう駄目だ…」と思うところで必ず挟まれるのが、妻が夫を、姉が弟を、父が息子を励ます家族の愛です。
犯罪者の家族が辿る苦難の未来が分かっているからこそ、息子が父を信じて真相に立ち向かう姿に感動。
結末は二転三転して、結局は村祭りの事件で逆恨みした議員の息子が真犯人ということでしたが、ここは原作と違うようですね。
原作では サイコパスのみきおが単独で行った犯行だったようで、こちらの方が説得力があって良かったように思います。
あと、お笑い芸人さんがいけないという訳ではないですが、真犯人という大役は せいやさんではなく、演技力のある俳優さんに演じて欲しかった。
他にも今野浩喜さん、小藪さん、澤部佑さん、キャストに芸人さん多すぎて、重厚感あるストーリーなのにもったいと感じてしまいました。
ちょっと不満はありましたが、警察官の父、死刑囚として老いぼれた父を見事に演じ分ける鈴木亮平さんの凄みは素晴らしかった。
文吾と心を見て「そっくり」「親子のようだ」という校長、さつき先生がみきおを引き取った悲しい過去など、サブキャラの演出にも引き込まれました。
ラストは鈴木亮平さん演じる文吾だけが過去を変えたことを知っていて、心と由紀の結婚指輪を握りしめるシーンにはグッときましたね~。
心と由紀のみきおくんを演じた子役も、得体の知れない雰囲気を出していて上手。
最近、見ごたえのあるドラマが少なくなったなかで、『テセウスの船』は記憶を消してもう一度見たいと思えた傑作でした。
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