ドラマ『フェンス』ネタバレ!結末までのあらすじを解説

ドラマ『フェンス』は、米兵による女性暴行事件を通して、沖縄の抱える基地問題、ジェンダーや人種、世代間の違いを赤裸々に描いたクライムサスペンスです。今回はドラマ『フェンス』の結末までのあらすじをネタバレ有りでご紹介します。
『フェンス』あらすじ
1話◆「ユクサー」
雑誌ライターのキー(松岡茉優)は米兵による性的暴行事件の被害を訴えるブラックミックスの女性・桜(宮本エリアナ)を取材するため、沖縄を訪れた。桜の供述には不審点があった。キーは桜に接近。桜の祖母・ヨシ(吉田妙子)が沖縄戦体験者で平和運動に参加していることなどを聞く。一方でキーはキャバクラ時代の客だった県警の警察官・伊佐(青木崇高)と再会し、米軍犯罪捜査の厳しい現実を知る。訴えの裏に隠された真実とは?©2023 WOWOW/NHK
桜は被害にあった後、シャワーを浴び、着用していた衣服を全てゴミに出し、3日後に警察に被害を訴えていた。
伊佐は事件現場に防犯カメラもないことから、被害の証拠がないため捜査ができないという。
キーは、加害者がヘビがプリントされたTシャツを着ていたと聞き、米軍関係者に聞き込みを行うが、みな何かを隠すように話してくれなかった。
その後、キーは桜と桜の祖母が基地反対運動を行っていると知る。
そんななか、事件当日と翌日に桜が車を乗り降りする様子が撮影された防犯カメラが見つかり、桜の行動は証言と一致した。
しかしキーは、事件の夜に車を停めたのは友人のマリッサであることを突き止め、桜に祖母の運動を手助けするため事件をでっちあげたと問い詰める。
実は、被害にあったのは桜の元交際相手の仲本颯太の妹・琉那だった。
桜は琉那をこれ以上傷つけず、犯人を捕まえるため、自分が被害にあったように装い、訴えていたのだった。
『フェンス』登場人物
◆小松綺絵(キー)/松岡茉優・・・東京の週刊誌記者。米兵による暴行事件の真相を探るため沖縄にやって来る。
◆大嶺桜/宮本エリアナ・・・父親が米軍人、母が日本人のブラックミックス。カフェバー「MOAI」の経営者。琉那の代わりに米兵の暴行を訴える。
【警察】
◆伊佐兼史/青木崇高・・・沖縄県警中部警察署の警察官。キーが都内のキャバクラに勤めていた時の客で一度だけ肉体関係を持つ。
◆上原光栄/佐久本宝・・・伊佐の後輩警察官。
【桜の関係者】
◆大嶺ヨシ/吉田妙子・・・桜の祖母。沖縄戦体験者で、平和運動に参加し、基地反対を訴えている。
◆仲本颯太/與那城奨・・・桜の元彼。米軍基地の従業員。
◆仲本琉那/比嘉奈菜子・・・颯太の妹。米兵の暴行を受け、心に深い傷を負う。
【その他】
◆ジェイ/ド・ランクザン望・・・・在沖米軍の海兵隊員。琉那の事件の容疑者として浮上する。
◆山城実結/松田るか・・・ジェイの婚約者で彼の子どもを妊娠中。
◆城間薫(新垣結衣)・・・精神科医。電話で琉那から相談をうける。
◆沢田和行(板橋駿谷)・・・日林建設の辺野古基地建設担当者。週末はバーで働く。内地の人。
『フェンス』最終回までのあらすじ
2話◆「アメジョ」
桜の証言に秘められていた真実を知り、性的暴行事件の取材を再開するキー。桜は米軍捜査機関の聞き取りに協力するが、あやふやな説明を疑われる。キーは琉那(比嘉奈菜子)から先輩のアメジョたちを紹介してもらい、米軍関係者がよく遊びに来る地元のクラブで聞き込みを行う。取材を続ける中で、キーは自身の複雑な過去と対峙する。やがて容疑者の一人である米兵の男に辿り着くが、その男との接触は思わぬ事態に発展して…。©2023 WOWOW/NHK
桜が高校生の琉那の身代わりとなり犯人を探していると知ったキーは、彼女たちに協力することにした。
キーの聞き込みの末、加害者は「ジェイ」という男で、車を修理に出した自動車工場を突き止めた。
フェンスの向こうの基地に入る前に男を捕まえようとしたキーだったが、揉み合った末に逃げられてしまう。
キーは桜に幼少期を明かした。
キーはアメリカ軍人の父と日本人の母との間に生まれ、10歳の頃まで沖縄で過ごした。
父と別れた母親は、キーを連れて東京に出るが、米兵に捨てられた女ということで、屈辱的な仕打ちを受けたこともあった。
そんな母を見てキーは、沖縄に複雑な感情を抱いていたのだった。
3話◆「ヒヌカン」
編集長・東(光石研)によって、キーの記事は桜の虚偽証言だという記事に書き換えられてしまう。それを読んだ颯太(與那城奨)は琉那の前で桜を責め、琉那の心も引き裂かれていく。一方、キーは容疑者のひとりである米兵のジェイが起こしたひき逃げ事件について伊佐から聞かされる。公務中の事故で地位協定の壁に阻まれ、捜査が進まない中、キーと桜はジェイの恋人・実結(松田るか)と知り合い、徐々に事件の核心に迫っていく。©2023 WOWOW/NHK
キーの記事が書き換えられたのは、ジェイが起こしたひき逃げ事件が原因だった。
公務中の事故だったためジェイは免停だけの処分で、被害者の賠償金は日本から出されていた。
しかも事故を起こしたのは、琉那が被害にあった日の直後だった。
キーと桜はジェイの恋人・実結に会いに行くが、そこにジェイが現れ、揉み合ううちに妊娠中の実結が倒れてしまう。
実結からジェイの18歳だった妹が銃の乱射事件で亡くしているから、そんな事件を起こすことはないと言い切る。
実結はジェイの携帯電話に「キティの味はどうだった?」という不審なメッセージを見つけ、キーと桜に報告した。
そんななか伊佐からジェイのアリバイが確認されたと連絡がきた。
キティというのはマンゴーの香りの違法薬物のことで、事件の日 ジェイは違法薬物を購入するためバイヤーと待ち合わせをしていたのだった。
ジェイは軽い処罰となりアメリカに帰国することになり、残された実結は出産して一人で子どもを育てる決意をする。
4話◆「マブイ」
キーの記事を読んだひとりの女性が警察に訴え出て、手口の共通点から米兵による連続性的暴行事件の可能性が浮かび上がる。被害女性が利用していたマッチングアプリに登録し、犯人からの接触を待つキー。そんな中、桜はアメリカにいる父親を知る黒人女性と出会い、自身のルーツと向き合い始める。さらにキーは行方不明の琉那の取材で出会った精神科医の城間(新垣結衣)に、母・博美(中村優子)と自身の過去について告白する。©2023 WOWOW/NHK
桜の父・ウィルと母が結婚しなかった理由は、ウィルが母とお腹にいた桜の命を奪おうとしたことが原因だった。
ウィルは湾岸戦争のPTSDにより、精神が不安定になり破壊衝動によって妻子に暴力を振るうようになった。
ウィルはそんな自分が怖くなり、結婚せずにアメリカに帰国したのだった。
一方、琉那は那覇の風俗業者に連れられて拉致され、相談電話で気づいた城間薫は、琉那をすぐ民間シェルターに保護するように通報した。
最終回(5話)◆「ヌチ」
キーは犯人らしき男からの接触を受け、自ら捕まえようと、おとり捜査を実行する。桜は辺野古の埋め立て工事に詳しい和行(板橋駿谷)に話を聞きに行く。そんな時、同じ手口で沖縄の女性が被害に遭う新たな事件が勃発。伊佐は容疑者の米兵にたどり着くが、またしても地位協定の壁が阻む。この米兵は犯人なのか、逮捕できるのか。沖縄の地で複雑に絡み合う、キーと桜、事件のそれぞれの結末とは――?©2023 WOWOW/NHK
トランジットで白人男性が宿泊していたホテルを突き止めた伊佐たち警察は、犯人らしき兵士を任意同行しようとするが、地位協定の壁に阻まれてしまう。
そんななか同じホテルに滞在していたキーは、手首にタトゥーがある白人兵士が深夜一人で帰ってくるところを目撃していた。
伊佐は何とか犯人を取り逃がさないように、必死に男の上官を説得して署に連行することに成功する。
その頃 桜は、辺野古の埋め立て工事について和行に話を聞いていたところ、琉那からの着信で電話に出るが、男性と一緒にいることを知られないように電話をしまった。
しかし、通話ボタンは押されたままになっており、和行の声を聞いた琉那は襲われた男の声と同じだと気づく。
琉那を襲った犯人は、内地の人間である和行だったのだ。
和行に襲われそうになった桜は、バスルームに閉じこもり位置情報をキーに発信する。
そしてキーが駆けつけ和行をなぐりつけて、桜は暴行されずに済んだ。
事件後、キーは桜の祖母にインタビューを行うため会いに行った。
祖母は助からなかった家族、友人たちがいるのに、自分だけ生き残ってしまったことに涙した。
桜は祖母がいなければ自分はいなかったことに感謝し、祖母も桜やキーに「生きるのよ」と伝えた。
東京に戻ったキーに伊佐が会いに来て、白人米兵と和行の余罪に触れ、桜が誰をかばっていたのが誰かがわかれば刑が重くできると話した。
キーは、この社会が正しくないから被害者が名乗りでることが出来ないと答えた。
伊佐は、これは急ぎの宿題だと、これ以上 被害者について聞くとこはなかった。
その後キーは、自分が見て体験した沖縄についての「フェンス」というタイトルの本を書くことを決め、桜に伝えるのだった。
『フェンス』感想
沖縄が抱える問題を多角的に描いたドラマ『フェンス』は、沖縄の人の本音が赤裸々に語られています。
内地の自分たちから見れば基地建設などで沖縄も恩恵を受けているから多少は許せる部分もあるんじゃないかと思っていましたが、国の公共事業の半数を県外企業が受け持ち、沖縄経済は循環していないことを初めて知りました。
そのため沖縄県は未だに、最低賃金も一番低く、1人当たりの県民所得も全国最下位となっています。
さらに沖縄の子どもはもっと深刻で、3人に1人が貧困状態にあると言われ、これは全都道府県の2倍の数値です。
そして離婚率が高く、母子家庭のため親にかまってもらえず育った子どもたちは不良になる確率が高くなります。
本作のなかにも出てきましたが、未成年で夜の仕事に就く少女も少なくないようです。
お金がなくて進学を断念して就職しても、生活は楽にならない…
こんな現実を知ると、よく沖縄の人が口にする「なんくるないさー(なんとかなるさ)」という言葉が、ポジティブな意味ではなく、あきらめの言葉のように聞こえます。
沖縄といえば、豊かな自然と美しい海、観光業で成り立った楽園のようなイメージでしたが、それ以上にダークな問題をたくさん抱えていることが分かりました。
沖縄は、戦前は日本に植民地にされ、戦中は沖縄県民全体の4人に1人が犠牲となり、戦後は基地負担を強いられるという、虐げられた歴史があり、それは今も続いています。
主人公のキーが言った「沖縄の問題ではなく、日本の問題。」という言葉。
物語が進行するにつれ、いかに自分が他人事のように沖縄を外から見ていたことが思い知らされます。
ドラマ『フェンス』は、観光地ではない沖縄の姿をリアルに描き、あまり報道されない沖縄人の本音が赤裸々に語られています。
沖縄の歴史も知ることができますので、この機会にぜひ視聴してみて下さいね。
沖縄返還について描いた本木雅弘主演ドラマ『運命の人』のあらすじ結末は⇒こちら

映画化!沖縄を舞台にした小説『宝島』の結末までのあらすじは⇒こちら

ドラマ化!沖縄復帰直前の事件を描いた『渚の螢火』の結末までのあらすじは⇒こちら

ドラマ『フェンス』を全話見れる動画配信サイト
ドラマ『フェンス』の動画配信状況は以下の通りになります。
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