『死との約束』ネタバレ!原作の犯人と結末&相関図

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三谷幸喜さん脚本により、アガサ・クリスティー原作の『死との約束』が放送されることになりました。野村萬斎さん主演の本作は、舞台が日本に設定されていますが、ストーリーは原作に忠実に制作されています。そこで今回は、英国BBCで放送された『死との約束』のあらすじネタバレと登場人物・相関図をご紹介いたします。

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『死との約束』原作のあらすじと結末ネタバレ・相関図

『死との約束』相関図

※無断転載ご遠慮ください。

三谷幸喜版『死との約束』キャスト相関図は⇒こちら

『死との約束』登場人物


エルキュール・ポワロ
演・デビッド・スーシェ
私立探偵。

カーバリ大佐
演・ポール・フリーマン
ポアロの捜査を手伝う。

レディー・ボイントン
演・シェリル・キャンベル
ボイントン卿の妻。わがままで自分勝手な性格。莫大な資産を持つ。人嫌い。

ボイントン卿
演・ティム・カリー
考古学者。

レイモンド
演・トム・ライリー
ボイントン夫人の養子。

ジニー
演・ゾーイ・ボイル
ボイントン夫人の養女。

キャロル
演・エマ・カニフェ
ボイントン夫人の養女。

レナード
演・マーク・ゲイティス
ボイントン卿の息子。父を尊敬するが、発掘をやめて欲しいとも思っている。継母のボイントンを嫌う。

セリア・ウェストホルム卿夫人
演・エリザベス・マクガヴァン
旅行家。

 


ジェラール医師
演・ジョン・ハナー
精神科医。

サラ医師
演・クリスティーナ・コール
医師。レイモンドに好意を抱く。

シスター・アニエシュカ
演・ベス・ゴダード
ジニーに信仰心を教える修道女。

コープ
演・クリスチャン・マッケイ
アメリカ人の投資家。

あらすじ ボイントン一家

シリアに旅行に出かけたポアロは、ポイントン卿の発掘現場の見学ツアーに参加し、遺跡発掘をしている「ボイントン」とその家族に出会う。

ボイントン卿とボイントン夫人は、お互い子どもがいる 連れ子再婚で、夫人の方は金融街では知らない者はいない大物で、ばく大な財産を持っていた。そしてボイントン卿は夫人からの資金援助により遺跡発掘をしていた。

ボイントン夫人の性格は、傲慢で高圧的で、養子たちは常に夫人の顔色を伺いながら生活をしていた。

ポアロは、夫人以外のボイントン一家と共に、遺跡見学ツアーに出かけるが、精神科医のジェラール、女医のサラ、シスターのアニンシュカ、旅行家のセリア・ウェストホルム卿夫人も参加した。

しかし、精神科医のジェラールは、マラリアに感染したようで、途中で体調を崩し、ボイントン夫人の養子・ジニーと引き返した。

事件発生

遺跡見学にみなが出掛けたあと、ボイントンと前妻の間に出来た息子のレナードはボイントン卿の発掘を手伝い、夫人は日光浴をしていた。

そんななか、見学ツアーに行っていたメンバーが帰ってきた。

夫人は猛暑のなか、まだベンチに寝そべって日光浴をしていたため、ボイントン卿が呼びにいくと、夫人は血を流していた。すぐに旅行家のセリアや女医のサラが夫人の元に駆けつけるが、夫人はノミのようなもので胸を刺され亡くなり、傷口からは蝋(ろう)のような臭いがし周辺にも蝋が落ちていた。

さらに、夫人の使用人である ばあやの部屋で、注射器が見つかる。

捜査

ポアロはすぐに事件の捜査を開始するが、夫人に恨みを持つ容疑者はたくさんいた。

夫のボイントン・・・夫人が亡くなれば莫大な遺産が手に入る。
ボイントンの息子レナード・・・傲慢な夫人に冷たくされ嫌っていた。
養子(レイモンド・ジニー・キャロル)・・・夫人に虐待されていた。
ばあや・・・夫人に指示され子どもに暴力をふるっていた。
シスター・・・末っ子の養子・ジニーを救おうとしていた。

そんななか、精神的に不安定なジニーが、シスターを石で殴ってしまう事件が発生する。ジニーに話を聞くと、洞窟で突然、奴隷商人の男に袋をかぶせられた。そして袋から顔を出すと。シスターと男が揉み合っていたため、助けようとして、誤ってシスターを殴ってしまったらしい。

その後、ポアロはそれぞれの人物に尋問していった。養子のレイモンドとキャロルは、夫人に虐待されていたことを認めた。しかも夫人は狡猾で自分では手を下さず、ばあやに暴力を振るわせていた。

夫人はずっと子どもを授からず、孤児院から何人も養子を取っていたが、虐待をして追い出すことを繰り返していた。3人の養子の兄弟候補として連れてこられた子の中に一人だけ我慢強いレスリーという名前の子もいたが、その子も耐え切れず出ていってしまったという。

次にポアロは、精神科医のジェラールを連れて、夫人の使用人のばあやに話を聞いた。ばあやは、夫人に指示されて仕方なく子どもを虐待していた。そして、夫人が亡くなったしまったことで精神に異常をきたし寝たきりになっていた。ポアロが話かけると 「悪魔のような人でした…お父さん…」と呟き、錯乱状態になってしまった。ジェラール医師は、すぐに鎮静剤を飲ませ、ばあやを眠らせた。

それからポアロのところに、アメリカ人の投資家コープがやって来て「わたしが、かなり投資していたボイントン夫人の会社が倒産してしまいました。」と新聞を持ってやってきた。夫人家族がいない間に、会社のよくない噂が広まり、売り注文が殺到し、会社の株には1円の価値もなくなってしまったのだった。

妻から資金援助をうけて発掘作業をしていた夫のボイントン卿は、会社が倒産したことを聞き、少なからずショックを受けているようだった。ボイントン卿は、会社の金はすべて夫人が管理しており、自分は何も知らないという。そして「妻が皆に嫌われていたのは知っているが、私には優しく、愛していた。」と言った。

最後にポアロは、旅行家のセリアに「以前から夫人とは顔見知りでしたか?」と聞いた。セリアは「パーティーで以前見かけたことはあったわ。そこにいた人から子どもを虐待していると聞いて、そんな不愉快な人とは知り合いになりたくなかったから自己紹介もしなかったわ。」と言った。セリアと一緒にいた女医のサラは「私は夫人に死んでほしかったわ。レイモンドとの恋愛を邪魔してきたから。」と話した。

ポアロが捜査するなか、ばあやがバスタブで自殺しているのが発見される。

そして、ポアロの友人のカーバリ―大佐がやってきて、夫人の家の過去の使用人リストと、事件発生の1時間前に、夫人の近くにアラブ人だがよそ者の男がいたという情報を持ってきた。

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ポアロの推理

捜査から犯人をつきとめたポアロは、遺跡現場に全員を集めた。

ポアロは3人の養子たちに「あなたたちは夫人の暴力を受け、心身ともに傷を負ってきましたね。夫人の死を願っているのも当然です。実は偶然にも私は、あなたたちが“あの人に死んでもらおう”と言っていたのも聞いていました。」と言った。

そして、投資家のコープに「あなたのパスポートを見せて下さい。」とお願いした。コープがパスポートを見せ、「ぼくは、クリスチャンネームのコープを使っています。 レスリーという名は、子どもの頃に女性と間違えられたのが嫌でね。」と答えた。

レスリーというのは、養子たちの兄弟候補として夫人に連れてこられ、一番ひどい虐待を受けてきた子だった。コープは、夫人に昔、虐待されたレスリーだったのだ。

しかし、コープは夫人を殺害するよりも、地位や財産を奪ってやろうと考えた。そして、シリアにやってきて夫人に新聞を読ませないようにして、夫人の会社の悪い噂を流し、倒産させた。

次にポアロは、ジニーが、シスターを石で殴ってしまう事件の真相を話始めた。シリアでは、白人の人身売買が横行しており、ジニーが目をつけられた。そして、その人身売買の組織から雇われていたのが、ジニーに親しげに話しかけていた 修道女のシスター・アニエシュカだった。

犯人

そしてポアロは、おもむろに旅行家のセリアに「あなた子どもはいますか?」と聞き、セリアは「いいえ。」と答えた。

しかし、ポアロはカーバリ―大佐から手にいれた、過去の夫人の使用人リストにセリアの名前があることを発見していた。セリアは夫人の元でメイドとして働いている頃に、夫人の客であった男と恋に落ちてしまい、妊娠。

その産まれた娘こそ、 夫人の末っ子の養子ジニーで、セリアと恋に落ちたジニーの 父親はなんと、精神科医のジェラールだった。

お金がなく、ジニーを育てられなかったセリアは、裕福な夫人にジニーを託し、修道女となった。その後、再起を図り、旅行家となって本を書き成功を収めたが、娘・ジニーのことを思い出さない日はなかった。

そんなある日、娘は幸せに暮らしていると思っていたセリアだったが、夫人が子どもに虐待をしている噂を耳にし、ジニーも精神的に弱っていることを知った。そして、ジニーを救おうと、ジェラールと共に遺跡ツアーに参加した。

そしてジニーの父親・ジェラールと、シリアで夫人の殺害を計画。まず夫人に虫刺されと装って、ジェラールが用意した注射器でモルヒネを注射。

何も知らない夫人は、猛暑のなか日光浴を始めた。動くことも話すことも出来ない夫人は助けもよべず、降り注ぐ太陽の熱に苦しんだ。ジェラールは蝋の中にヤギの血をつめたものを、朦朧とする夫人の胸に忍ばせた。(事件発生の1時間前に、夫人の近くで目撃されていた男はジェラードだった。)

そして、溶けた蝋から流れ出たヤギの血を、夫人の血だと思いパニックになったボイントン卿に呼ばれ、駆けつけたセリアは、ボールペンで夫人の胸を刺した。

二人が、夫人をすぐに殺害しなかったのは、夫人を猛暑のなか焼け死ぬ寸前まで苦しめ、セリアがトドメを刺すためだった。

さらに、ばあやを殺害したのもジェラードたちの仕業だった。ジェラードは、ジニーに暴力を振るったばあやに罪を償わせるため、鎮静剤を飲ませ、バスタブに少しづつ水を入れて溺死させた。ポアロが尋問しているときに、ばあやが「お父さん」と言ったのは、ジニーの父親がジェラードだったと言いたかったのだ。

結末

すべてを暴かれたセリアとジェラートは、キスをするフリをして自分達に 毒の注射を打ち「ジニー生きるんだ。生きてさえいれば楽しい日がきっとくる」と言い残し、亡くなった。

事件後、人身売買の罪に問われた修道女のシスター・アニエシュカは車で逃走するも、砂漠の真ん中でエンストして、脱水症状で亡くなった。

そして、ボイントン卿は考古学をすることを諦めた。レイモンドとサラ医師は、邪魔をしていた夫人がいなくなったことで交際することになった。ジニーは、これからは自分の意思で生きていくことを決意する。

最後にポアロはジニーに「神によって癒すことの出来ない傷はないと信じ続けて下さい。お元気で。」に言い残し、別れを告げた。-END-

『死との約束』ネタバレ相関図

※無断転載ご遠慮ください。

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最後に

『死との約束』の結末をまとめてみると

旅行家のセリアは、昔 夫人のメイドをしており娘を産んで夫人に渡した。
夫人の養子ジニーは、旅行家のセリアとジェラール医師の娘
夫人とばあやを殺害した犯人は、セリアとジェラール
投資家コープは、夫人から虐待され、復讐のため会社を倒産させた
修道女アニエシュカは、人身売買組織の人間

原作では、大富豪の夫人は未亡人で過去は女看守という設定ですが、英国BBC版は考古学者の夫がおり、過去については触れられません。

また、加害者も、養女の両親ではなく、夫人が女看守をしていた女囚人で、自分の過去をバラされるのを恐れて殺害するというものでした。

私的に、英国テレビ版の設定の方が、人間関係も深いものがあり見ごたえがありました。

若き女性・ジニーは、養母である夫人から虐待されて育ち精神を病みました。さらに、セリアとジェラールが実の両親と分かったとたん殺人者だと暴かれ、おまけに二人は、自分の目の前で自殺するという不幸に見舞われます。

そんな悲劇のヒロインとなったジニーですが、事件後は、夫人の虐待や束縛からやっと解放され、新たな道に進もうとします。ポアロの「神によって癒すことの出来ない傷はないと信じ続けて下さい。」という言葉通り、希望のあるラストが救いでした。

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