『イチケイのカラス』第2巻のあらすじと結末ネタバレ

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『イチケイのカラス』第2巻では、入間みちおの優しくも美しい判決理由や、坂間が万引き主婦の裁判を担当し、判決に悩む様子が描かれます。
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『イチケイのカラス』第2巻のあらすじと結末ネタバレ

登場人物

坂間真平・・・第一刑事部(イチケイ)に配属された特例判事補。真面目すぎるところがある。鳥顔。
入間みちお・・・イチケイの刑事裁判官で38歳。元弁護士の異色の経歴を持つ。眼鏡をかけ、小太りな体型。ファンサイトがある。
駒沢義男・・・イチケイの部総括判事で62歳。
石倉文太・・・イチケイの担当書記官。ノリが軽い。
一ノ瀬糸子・・・イチケイの事務官。おっとりした口調と性格。

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第8話「みちおの訴訟指揮」

ある日、高架下に住むホームレスの男性・大木義晴の妻が急死した。大木は、妻が亡くなったのは医師の診断ミスと思いこみ、病院に抗議するが、担当医との面会を断られたことに腹を立て、対応していた事務局の人間に「医者を出さないと痛い目にあわせるぞ」と包丁で脅迫し、逮捕された。

今回、その大木が起こした事件を入間みちおが担当することになり、坂間は見学をすることにした。

法廷で、大木は「裁判官様。正直わたしは1分1秒でもこの世にいたくない。わたしなんかに時間を割かずに、早く女房のとこに行かせてください。」と言った。すると入間は 「奥さんは、もう少しあなたの中で長生きさせてあげてもいいのではないですか?」と優しく語りかけた。

検察側が「苦情を言いに行くだけで包丁を持っていかないですよね。包丁で、怪我の1つでも負わせてやろうという意味があったのでは?」と大木に質問すると、大木は口ごもりうまく話せなかった。おまけに大木の弁護人は、やる気がなく大木に「包丁突き付けて脅迫なんかしちゃだめだろう。もう二度としないと反省してるね。」という始末だった。

第9話「涙の理由」

その様子をみていた入間は、「奥さんの遺した日記を読んでから、病院に行ったとありますが、なんて書いていましたか?」と大木に助け船を出した。すると大木は、日記には“お父ちゃんごめんなさい”と書かれてあって、妻がずっと痛いのを我慢していたこと、妻が亡くなる間際に握っていた包丁を形見として病院に持っていったこと、病院の事務的な対応にカッとして、タオルに包んでいた包丁を床に叩きつけたら、包丁が見えてしまったことなどを話した。

それは検察側が主張する意見とは、まったく印象の違う話だった。しかし、検察側は懲役1年6か月を求刑し、やる気のない弁護人は「反省もみられるので、寛大な判決を」と言った。

すると、入間は弁護人を怒りに満ちた目で見て「失礼ですが、“寛大”とは具体的には?」と言った。弁護人は、入間の思いもかけない言葉にアタフタし「執行猶予を…」という言葉しか出なかった。

そして入間は、即日判決を下すことを言い渡し、いったん閉廷した。

第10話「静かな怒り」

裁判後、坂間は入間の元に行き「なぜ大木さんの事件を即日判決にするのか?1~2週間開けた方が一般的だし、ちゃんと審理したか怪しまれる心配がないのでは?」と言った。

すると入間は「あのような おっちゃんを無駄に拘留する意味がない。拘留することで、反省が深まることもないし、誰だって家族がおざなりにされて亡くなったら怒るだろ。大木さんの話を聞いて即日が相応の判断をしたまでだ。」と、少し怒ったように話を切り上げた。

そして判決を言い渡す時間になった。入間は、「主文 被告人を罰金20万円に処する。未決拘留日数中1日を5000円に換算して、刑に算入する」と言った。罰金20万円とはいっても、ホームレスの大木さんには払える見込みがない。そこで入間は、40日以上拘留されている大木さんの1日を5000円と換算して、罰金を無しにしたのだった。

さらに入間は、家も妻も失った大木さんが再び罪を起こさないように、 保護観察所へ行けるように手配した。

第11話「前略 入間みちを裁判官様」

裁判後、坂間は、知り合いの占い師がトイレに行っている間、路上で変わりに占い師のフリをして座っている入間をみつけた。

坂間が「僕が、大木さんに判決を出すなら再度の執行猶予にする」と言うと、入間は「彼が、この先、社会生活を送るには高いハードルがある。これから1つも罪を犯さず生きることは難しい。例えば、執行猶予中に万引きで捕まれば、間違いなく実刑になるからな。」と答えた。

「そんなこと考えても、しょーがないでしょう。我々の仕事は判決を出すまでなのですから。」と風間が反論すると、入間は「そうだな…でも、 なんだか負けた気がするんだ。大木さんが居場所がなくなって、再犯で俺たちの元に戻ってくることがあれば、俺たちのやったことは一体何だったのかと。」とつぶやいた。

そこに、ちょうどトイレから占い師が戻ってきたため、入間は「疲れた」とそそくさと帰っていった。その時、カラスの置物が坂間の目に留まった。

占い師は「それは旅行先で買ったもので、アラスカの方にワタリガラスの神話がたくさんあるんだ。神話のなかのカラスは、 自由奔放で身勝手で気まぐれに世界を創ったりするが、その知恵を生かして、人間に光、火、水を与えたりする。神様とは違うけど個性があった好きなんだ。」と言った。

それを聞いた坂間は、以前酔っぱらった入間から「カラスになれ!」と言われたことを思いだした。そして、坂間は「その話を入間さんにしましたか?」と質問すると、占い師は「これは、みちお(入間)に教えてもらったんだ。」と答えた。

その後、大木から入間宛てに手紙が届いた。

前略 入間みちお裁判官様 突然のお手紙失礼いたします。~(中略)~あれから更生保護施設に入り、支援して頂き桃農園で働いております。裁判後、拘置所の職員の方が「奥さんが入間裁判官様に合わせてくれたのではないか」と言って下さいました。~(中略)~あれから毎日、もう少し私の中で女房を長生きさせてもいいのではという入間様の言葉を思い出しています。私はどうしようもない人間ですが、まだ生きています。生きてくれることを よしとして下さったことを感謝いたします。早々 大木義晴

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第12話「令状当番」

ある日、坂間の元に弁護人から面会の要請がきた。その事件は、前科のある36歳の主婦・潮川恵子が、スーパーで万引きした後に、保安員に噛みついたというものだった。

坂間の元にやってきた弁護人の堤は、「潮川の夫は海外に赴任中で6歳の娘がいるし、本人も罪を認めているので拘留は却下して欲しい。また専門病院でみてもらいクレプトマニア(病的窃盗を繰り返す精神疾患)と診断されたなら、治療へ繋げていきたい」と熱心に話した。坂間は潮川には、盗みの前科があり、家に帰すとまた万引きをしてしまう恐れがあると危惧したが、坂間は弁護人の強い要望も考慮して、潮川を家に帰すことにした。

第13話「奮闘と衝動」

家に帰った潮川だったが、海外赴任の夫からは電話で「また裁判で証言台に立たされるのは勘弁してくれ。」と言われた。さらに義理母の介護にも疲れ、以前と同じようにうつ病の薬を服用した。

そんななか、潮川はお腹を空かせた娘のため、コンビニに買い出しに行くことにした。店に入ると、潮川の脳裏に、盗んだときの快感が蘇った。そして、コンビニの商品に手を伸ばした。

第14話「クレプトマニア」

潮川が商品をカバンに入れようとした瞬間、弁護人の堤が止めに入った。これまで堤は潮川には更生の余地があるとして、坂間や万引きをしたスーパーに減刑になるよう働きかけていた。そんな自分の苦労をよそに、また盗みをしようとした潮川にガッカリすると共に、今度逮捕されたら娘にも会えなくなる恐れがあるのに、万引きを止められない彼女を哀れに思った。

でも、堤は、悪いのは彼女じゃなく、1人で頑張りすぎたことが原因だと思い直した。それから堤は潮川さんとクレプトマニアの治療のため専門医に予約をいれた。

診断の結果ー。やはり潮川は、お金がないわけでも、そのモノが欲しいわけでもないのに、窃盗を止められないクレプトマニアと診断された。「わたしはダメな人間だ。」と落ち込む潮川に、堤は「ダメな人間だから病気になるわけじゃない。 潮川さんに今必要なのは、罰じゃなくて治療です。」と言った。

そんななか、潮川の夫が赴任先のドイツから帰国した。夫は、これ以上支える自信がないとして、裁判が終わったら離婚しようと切り出した。そして、そんな両親の話を6歳の娘・ほたる は不安そうに聞いていた。

第15話「ひとりでできるもん」

潮川恵子の裁判の日ー。両親が裁判所に出廷したあと、家で留守番していた ほたるは、こっそり一人で家を出て、バスに乗り、裁判所に向かった。ほたるが裁判所に到着すると、母親は検察側から質問を受けていた。

「あなたは1人で大変だったという言い方をしていますが、娘さんはもっと辛い思いをしていると思わないんですか?幼い娘さんを残して刑務所に行くことになっても、万引きは病気だから、やめられないということでしょうか?」

潮川が、検察の質問に言葉を詰まらせていると、傍聴席から 「ママ―がんばれー!」という、ほたるの声が聞こえた。

第16話「大丈夫じゃない」

潮川を始め、父親もほたるが1人で裁判所に来ていることに驚いたが、坂間は審議の際中ということで、ほたるは外で待つように促した。

そして検察側は、懲役1年4か月の実刑を求刑。弁護側は、潮川がクレプトマニアの診断がなされ、すでに治療に入っていること、刑罰ではなく、精神疾患を治療する機会を与えて欲しいと言った。

裁判の帰り道、潮川は夫に「私は大丈夫じゃない。これからは、あなたの力を借りないと無理。まだ一緒にいたいの。」と正直に話した。夫は「俺が、恵子に大丈夫って無理して言わせてたんだな。」と反省した。

一方、坂間は、過去の案件から、潮川は、万引きだけでなく保安員に噛みついており、実刑はまぬがれないとかんじた。しかし、娘のことを考えると再度の執行猶予にして治療に専念させるべきではないかと、頭を悩ませていた。

そんな坂間を見て、駒沢は「坂間さんが、今の状態で不十分と考えるなら、審理を再開して、もう一度、潮川さんに疑問をぶつけてはどうですか。」と提案した。坂間が「そのような前例は聞いたことがありませんね…」と言いかけると、入間が「優柔不断っぽくて、みっともないってことか?裁判官の職権だ。誰に咎められる筋合いはない。 50年後に正しいと思える判断をしろ!」とズバリ言ってきた。

駒沢も「悩むというのも裁判官の特権です。人の人生がかかっていますから」と言った。

判決の日ー。坂間は駒沢や入間の言う通り、判決の予定だったが、裁判所の判断で審理を再開することにしたと、検察官と弁護人に伝えた。

第3巻へ続く。

第3巻では、いよいよ潮川に判決が言い渡されます。坂間はどんな判断を下すのか?!そして裁判員裁判編もスタートします。
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『イチケイのカラス』第2巻の感想

やる気のない弁護人や、ヤ〇ザ風の検察官など、主要人物以外のキャラも濃い2巻でした。また、タイトルにも入っている、入間みちおの言った「俺たちは、カラスでいなければいけない!」という言葉の意味も明かされ、スッキリ。坂間は、熱血すぎない主人公ですが、そこがまた魅力で、徐々に駒沢や入間の意見に耳を貸す様子も見られました。第3巻は、裁判員制度についてのお話もあるそうなので楽しみです。

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